【あらすじ】
豊かな川文化が綴られた時代小説を中心に現代小説まで、日本の川文学100冊を紹介。筆者は日本の一級河川の本川すべてを踏破し、「暮らしと川」という人間生活の大命題を、フィールドワークと古今東西の川文学を渉猟するなかで深めてきた。本書では川文学の舞台・物語・登場人物などと取材行を重ね合わせながら川文化の諸相について語り尽くし、「豊かな川の時間」を本書に凝縮している。川文学の紹介を通じて、読者に遠い川の記憶を呼び覚ましてくれる異色の川文学入門書である。
1章_川の流れは季節と人を語る
山本周五郎『ほたる放生』/高田郁『みをつくし料理帖』シリーズ(ハルキ文庫など8冊
2章_舟運は人々の暮らしを支えた
司馬遼太郎『竜馬がゆく』/佐伯泰英『鎌倉河岸捕物控』など8冊
3章_川から生きる力をもらう
新田次郎『武田信玄 林の巻』/深沢七郎『笛吹川』(新潮文庫)など7冊
4章_幸せはいつも川か運んてきた
宮部みゆき『初ものがたり』/童門冬二『異聞 おくのほそ道』など7冊
5章_河原には人間の情念か交錯する
有吉佐和子『出雲の阿国』(中公文庫).諸田玲子『奸婦にあらず』ほか7冊
6章_人は川の記憶とともに生きる
飯嶋和一の『雷電本紀』/浅田次郎の『壬生義士伝』ほか7冊
7章_川は人の心を強くする
中里介山『大菩薩峠』/藤沢周平『?しぐれ』ほか8冊
8章_まだまだ読みたい川文学
資料編_江戸時代の“お約束"